新規サービスなどを考えるとき「ペルソナ」を設定するべきです。
それは何故でしょうか。考えてみます。
目次
もくじ
ペルソナって?
ペルソナ(Persona)とは、マーケティング業界などで用いられる用語で、サービスや商品の利用ユーザー像の事です。某有名ゲームではありませんよ?
サービスなどを立ち上げる際、利用するユーザーモデルとして架空の1個人を設定したものです。
名前、年齢、出身地、家族構成、趣味、経歴、ライフスタイルなどをこと細かく設定したものです。
「全員がターゲット」はない
さて、こういった話をすると「うちのサービスは日本人全員がターゲットだから」という話題が出てきます。
いろんな人へ売っていきたい気持ち、よくわかります。
でもそのサービス、道行くすべての人が使ってくれますか?
生後2ヶ月の赤ちゃんは使いますか?
人里離れたところで仙人のような生活をしてる人は使いますか?
結婚されている男性、ご機嫌斜めな奥さんにそのサービス使ってもらえますか?
広い狭いはあれどターゲットというのは存在するはずです。
ターゲット層よりペルソナがなぜ良い?
では、ターゲット層ではなくペルソナを考えるのはなぜか。
「20~30代の女性会社員」でもかなり限定がされるはずです。
なんとかなく良さそうな気がする。
でも、よく考えてみてください。
20~30代の女性会社員、身の回りの該当する方々が同じ生活をしていますか?
20代の前半の新卒女性社員もいれば、30代後半で10代のお子さんがいるベテラン社員だっているはずなんですよ。
身近な人で10歳以上離れてると価値観が違いますよね。
それを一括りにしちゃっていいんでしょうか?
そういった「人によって異なるイメージ」を持ちそうな情報を一つ一つ設定していき、サービスのプロジェクトメンバー間で同じ利用者像を共有するのがペルソナの目的です。
方向性を決定する際の指標になる
ペルソナを設定することは検討事項を決定する際に役に立ちます。
前述のように「20~30代の女性会社員」を、プロジェクトのメンバーAさんが「20代の前半の新卒女性社員」、メンバーBさんが「30代後半で10代のお子さんがいるベテラン社員」をイメージしていたのでは視点が全く異なるものになってしまい、決まるものも決まりません。
架空の人物を作ることで、同じ視点になって物事を検討できるようになります。
そのためには、架空の人物がさも存在し、どこかで生活してるかのように情報をまとめていく必要があります。
どんな情報が必要かは目的に応じて変わってくるので(例えば海外旅行客がターゲットなら、旅に関する情報を重視するなど)適宜何が必要なのか考えてみましょう。
「ペルソナがどうこうどうするか」焦点を絞ることで意思決定がしやすくなりますよ。
ネットで検索するとペルソナ作成シートが出てくる場合もあるので参考にしてみましょう。
ペルソナは少なくていい
ペルソナは多くても2人程度に留めておくべきです。
ペルソナって一人作るだけでもかなりエネルギーを使います。
作るのに時間をかけすぎてしまってはコストがかかりすぎますし、あまり増やしてしまうと結局ターゲットが幅広くなってしまって本来の意味が薄れてしまいます。
ただし、想定とズレが大きい場合、ペルソナ自体の見直しも考えましょう。
ペルソナに当てはまらない人がターゲットから外れるわけではない
「とはいっても、ペルソナ以外の人にも使ってもらいたいんだよ」という意見もあると思います。
この記事で詳細には触れませんが、イノベーター理論という考え方があります。
新しいサービスには成長のステップがあるんです。
まずは新しいもの大好きな「イノベーター」が使うところからサービスの成長は始まります。
極論ですが、イノベーターのハートを掴めばサービスはうまくいきますし、掴めなければ誰にも伝わらないままサービスは死んでいきます。
だから、最初から利用ターゲット全員を狙っていく必要はないんです。
そう考えたら全員をターゲットにすることが無意味であると考えられませんか?
ペルソナではまずイノベーターを狙っていけばいいわけです。
ペルソナ作成のコツ
まとめの前にペルソナ作成のコツについて。
ペルソナを作る際、できるだけ関係者全員で認識を共有しましょう。
想像だけで作らず、統計データ、SNSからの情報、インタビューなどを用いて実態にできるだけ近いペルソナを作るようにしましょう。
一部の統計データは、国や統計会社のサイトで閲覧することが可能です。
データに基づいたペルソナを作ると、利用者の想定アクションに説得力が生まれてきます。
新規サービス検討の際はペルソナの設定を!
ペルソナの重要さ伝わったでしょうか?
ペルソナは架空の1個人を設定したものです。
メンバー間で共有することで、決定の場面などで共通の指標を持つことができます。
製品成長のカギを握るイノベーターのハートをつかむことを意識してみると良いです。
「全員がターゲット」であることは無意味です。
ペルソナ作成の際はデータに基づいて考えましょう。
ペルソナを意識してサービスを考えると一段階良いものが作れるはずです。